チムクエマシン

授業中、児童はみな騒いでいて、男の理科の先生を舐めきっていた。私は一人だけ、みんなこんなことをしていていいんだろうか、と思いながら手を膝に置いていた。まるで自分だけ卒業式か、お通夜みたいだった。

先生は唐突に私の名を怒鳴るように呼び、授業に必要な器具を持ってくるよう命令した。私は静かにしていたし、先生も怒りをぶつけたいわけではなかったろう。でも、人一倍大人しくて、抵抗もしない人間には言いやすかったみたいだった。

思えば、この頃から私の性格は見え隠れしていたのだ。いや、既に完成していたのかもしれない。

フレンドとは絡まない。チムメンとも交流しない。ログアウト表示で、淡々とチムクエをこなすだけの機械。

それが一番、誰にも迷惑がかからないし、かけられないのだと思う。ドラクエ10内では「!」マークをつけてチャットをすると、フキダシがトゲトゲになるし。きっと、あの先生みたいな声のつもりなのだろう。

私はここ数ヶ月、いや半年、いいや九ヶ月……意識して大声を出したことがない。たまらなくなってのワーしかなかった。

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