GAFAだけって思ってない?

抱き合わせ商法、不当廉売、寡占化……競争が働かない市場は不健全といわざるを得ない。多種多様なサービスを包括的に運用しているGAFAは元より、ビデオゲームの販売においても然りである。今回はPCゲームのプラットフォームであるsteamを挙げる。

(GameSpark)

こういう問題が必ず起こり、裁判にするのがまことにアメリカらしい点なのだが、やはり一挙歌弱がいいとは思えないので、悪いということはない。steamに競合するのはEpic Games Storeとか、他にはハードウェアに紐ついているNintendo e-shopとか、PlayStation Storeとかが相当するのか……にしても、独占タイトルでもない限りsteamに抗するのは難しいだろう。

>PCビデオゲーム市場は全世界で年間300億ドルの利益を生み出していますが、その売上の75%がSteamストアを経由したもの
(前述リンクより抜粋)

もしも、お近くにファスナー、ジッパー、チャックなどがついた製品や服をお持ちの方がいれば、上げ下げするためのタグをご覧いただきたい。YKKというマークがついていないだろうか。吉田工業株式会社の略であり、ここはほとんどのシェアを持っている。

(NewsWeek)

steamとYKKに違いがあるとすれば、ファスナーの生産に対し、ゲーム販売プラットフォームは多数のデベロッパーとユーザーを結びつける、商社のような立ち位置にあるということだ。

今のところ、PCゲームを販売するにあたり第一選択肢としてあるのはsteamであり、そのルールを飲まなければ売ることすらままならない。それこそAmazon.comが業者に対して他の店舗での販売を禁じるのを受け入れるようなものである。

あまりに中間搾取がひどくなれば、他に移るか独自に売るようになるだろう。くしくも、Red Candle Gamesが「還望 Devotion」を自社販売に切り替えたように。もっとも、これはsteamのせいではないのだが。


いちユーザーとしては安く販売してくれるに越したことはないし、一番困るのはデベロッパーに金が渡らないことなので、steamを擁するValve社には「ほどほど」をお願いしたいところではある。売り手、買い手、社会の三方良しを求めたい。

そうでないと、国際的な包囲網がValveを締めつけることになるだろう。

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