【中川翔子】ビアンカが独身のままな理由【堀井雄二】

いわゆる「転生もの」において、主人公は現代日本の知識を使い、誰も太刀打ちできないような英雄的な行為をする。俗に無双と呼ばれる状態である。

某日、タレントの中川翔子のチャンネルで、ドラゴンクエストの生みの親たる堀井雄二が登場し、主人公の結婚相手候補の一人である「ビアンカ」について語った。

候補は他にもフローラとデボラがおり、それらのうち一人を選んだ場合、ビアンカは山奥の村で独身で過ごすことになる。中川翔子のツイートによれば、堀井はビアンカがこうなったのは「主人公のことが忘れられなかったから」だそうである。
「そんなんいいから、あなたも幸せになれよ」と言いたくはなる。まるで乙女のようだし、現代に生きる人間からすれば納得しがたい思考でもあるだろう。

ところで「メアリー・スー」という言葉がある。
メアリー・スーとは二次創作用語の一つ。 主に「原作ファンによる二次創作の中に登場する、原作の主要キャラクターよりも格段に優秀な、作者の分身のようなオリジナルキャラクター」などを指す。

https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/2588.htmlより抜粋

ビアンカの心情は、ゲーム内では語られることはない。主人公の側としても、子供時代に遊んでくれたお姉ちゃんより、自分の家族や世界平和のほうが重要だろう。しかしながら、いまだに心残りしているビアンカに、この「メアリー・スー」のような心持ちになった。幸せになってほしいし、幸せにしてあげたい。どんな方法をもってしても。

メアリー・スーの心理的な意味は「突然力を見つけた10代の少女の代表」「(作家あるいは読者側の)思春期の女性的魅力の発露」と結論付けている。

同上のリンクより抜粋。

なんてこった。10代の少女のような心境でいるのは、むしろ自分のほうだったではないか。理由のない万能感いや全能感を持ち、たとえば独身のビアンカのように、一時は結婚まで視野に入っていた男性を思慕し続けているかのような。無双すれば(たとえば、現代的な思想で)かわいそうなビアンカも、いつかハッピーエンドになると。

というわけで、ここでドラクエ11から海底王国ムウレアの、人魚の女王のお言葉を載せておきたいと思います。

「勇者とは、最後まで決してあきらめない者のことです」 

創作物そのものが、現実から一旦しりぞき、心地よさのために存在する以上、華々しい成功や「めでたしめでたし」になるのも、やむを得ないことである。

あと、リンクを載せておきます。

映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』公式サイト

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